2011/01/17

魔法少女アニメの未来と可能性

魔法少女まどかマギカ放映スタート、そして放課後のプレアデスもYouTube公開間近、ということでにわかに、魔法少女系アニメが活気を見せ始めたような気がしないでもないし、そういうには気が早い気がしないでもないのだけれど、もしかしかしたこれから魔法少女ムーブメントが来るかもしれない!と密かに期待していたりします。

なので、少し魔法少女もの今と未来について語りたいゲージが上がったので書いてみようかなと思います。

「魔法少女」といえば、カードキャプターさくらやおジャ魔女どれみよりはるか以前からの伝統を持ったジャンルであり、また、女児向けのアニメの代名詞でもあった。
しかし近年、、「魔法少女リリカルなのは」という作品の存在が、その言葉に大きなイメージの変容を加えたのではないだろうか。

「魔法少女リリカルなのは」は初放映の2004年当時、それほど大きく注目される作品ではなかった、
しかしその人気は衰えることなくシリーズを作るたびに売上は伸び続け、6年後、ついには劇場版公開へと実をむすぶ事になる。
その人気の源泉とは一体なんなのだろうか。
その答えの一つは、女児向けの魔法少女系アニメには古くからいわゆる「大きなお友達」と呼ばれる、いい年したオトナのオタクなファンが存在していたという事実ではなかろうか。
「魔法少女リリカルなのは」は女児向けではなく、その「大きなお友達」に向けて作られた魔法少女アニメであり、その「大きなお友達」の心をがっつり掴んで、コアなファン層を形成している。
「魔法少女リリカルなのは」は魔法少女を好む大きなお友達を、アクティブな存在として顕在化してみせたのだ。

「魔法少女まどかマギカ」、そして「放課後のプレアデス」とオリジナル系でかつ高年齢、オタク層の、いわゆる大きなお友達向けを狙った魔法少女系作品がここに来て登場したのは、「なのは」によって顕在化されたアクティブな需要層へ、そういった作品がアピール出来うるという判断から、なのではないだろうか。
「なのは」の成功、そしてポストなのはをねらった作品の登場というのは、実は特筆すべき出来事なのだ。

意外に思えるかもしれないが、いわゆるオタク向けに作られる魔法少女モノは、なのは以前にも数多く存在したが、その成功例は、ごくわずかで、なのはほどの絶大な人気を誇った作品は、存在していなかった。
なのは以前の大部分のオタク向けの魔法少女作品は、エロやパロに走ったいわゆるお遊びとして魔法少女というジャンルを扱ったものだった。女児向けの魔法少女系アニメは、大きなお友達によって同人でエロパロの対象にされやすいのも事実であり、その延長として、オタク向けに作られる魔法少女がパロディとして扱われるのは致し方なかったのかもしれない。
しかし、魔法少女の好きな大きなお友達は、エロやパロを魔法少女に求めているのではなく、あくまで可愛い女の子とキッズアニメだからこそ描かれる、純粋でストレートなテーマや物語を作品の中に求めていたのだ。
そんな時代の象徴的な作品の一つが、天地無用!の、スピンオフ、パロディ企画として始まった「魔法少女プリティサミー」のTV版だった。
魔法少女のパロディとして始まった作品のはずが、いつしか作り手が暴走をはじめ、真面目に魔法少女モノとして覚醒して、大化けしてしまった。これは当時話題を呼び、その後も語り草となった。
そして時を経て同じような経緯で作られた「魔法少女リリカルなのは」は最初からパロディを廃した真剣勝負の作品として作られた。
そして「なのは」は絶大な人気を誇るのに至るが、ポスト「なのは」の二匹目のどじょうをすくいにくる作品の登場は、「まどかマギカ」までまたねばならなかったのだ。


自分は魔法少女というジャンルには、未だに眠った可能性が秘められていると信じている。

ロボットアニメが玩具宣伝アニメ、子供向けというカラを破り捨てて幾多の作品を産み出し、そしてやりつくされてしまった感すらあるのに比べれば、魔法少女というジャンル、特に高年齢、オタク層に向けての作品は、未だに未開拓の地平が広がっている。
魔法(もしくはそれに似たもの)を使う女の子が出てくれば、変身美少女バトルモノから日常モノまで、バリエーションもテンプレも事欠かず、かつ、大きなお友達という確実な需要層を見込めることで、オリジナル企画として通しやすいという利点まである。
あとは作り手の「魔法少女」というジャンルで何が表現できるか、そのアイデアと気概次第だろう。

キッズアニメ、女児玩具宣伝アニメという枠にとらわれることのない魔法少女アニメ。
エロやパロに逃げない、真剣勝負の魔法少女アニメ。
それがこれから先、見られるかもしれないという期待感を「魔法少女まどかマギカ」らの登場は、抱かせてくれた。

魔法少女原理主義者にしてみれば、「なのは」のように、オタク向けの魔法少女は、ともすると邪道として切って捨てられる向きもあるかもしれない。
しかしプリキュアが軌道に乗って今後そのシリーズが安泰となってしまった今、魔法少女アニメの老舗の東映が、今後プリキュアにかわる魔法少女系作品を生み出す可能性は極めて低い。
もちろん、東映、プリキュア以外にも女児系作品はつくられているが、伝統的な魔法少女のフォーマットは、女児向け作品からも失われつつある。
女児向けアニメが時代の変容と共に変化していくことは、それはそれとして未来への可能性でもあるので受け入れていかねばならない。
だからといって伝統的な「魔法少女」というジャンルがこのまま消えていって欲しくはないのだ。

今着実に魔法少女というジャンルは大きなお友達向けというカテゴリーを得て、新しい時代を迎えつつある。
少なくとも自分は、魔法少女」というジャンルがターゲッティングに関わらず、作品として広がりを見せる事を夢見て止まないのだ。


追記

個人的には、魔法の国のお姫様が主人公の魔法少女アニメを、大きなお友達向けで見たいんだけどなあ、バトル要素はあってもなくてもいいけど、どっちかつうと日常メインで。
誰か作ってくんねえかなあ

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