2018/04/30

麻薬的に気持ちい異世界転生ものというジャンル

ここ2~3年でいわゆるなろう系からのアニメ化も増え、自然と目にし見る機会も多い異世界転生ものというジャンル、流行りのジャンルだけあって批判する向きも多いけど、自分は決して嫌いではない。
いやどちらかというと楽しんでしまっている方だと思う。
ぶっちゃけそれより少し前にラノベ系で流行っていた異能魔法学園バトル(でいいのかな?)よりはすんなり楽しめている。

最近思うのはこの異世界転生ものって若者よりもおっさん中年向けのジャンルなんじゃないかと思っている。

なんでそう思うのかというのを雑に語りたくなったので、ちょっとまとめたいと思います。
はっきりいって取り留めなく書く、特に考えがまとまっているわけではないので、あまり期待しないでください。

(異世界転生といってもここでは、異世界(ゲームの世界含む)に主人公が行き活躍するものすべて含みます)

とりあえずアニメ化されたものだけでもお気に入りな作品としては、少し前のものも含めてGATE、オーバーロード、ログホライゾン、このすば、ノーゲーム・ノーライフ、ナイツ&マジック、幼女戦記、と結構ある。
デスマーチもこりゃダメだと思いながらも結局最後までみてしまった。
「転生したらスライムだった件」はコミック版から入って、なろうのサイトで小説の方もかなり読み進めました。
今また「スライム倒して300年」を読み始めてしまった…
たぶん流行からは少し遅れてるとは思うんですが

おもにアニメで見ているものが多いので小説としての出来云々とかは、とりあえず置いときます。
少なくともアニメ化までされた作品は、それなりに質と面白さがあったからこそ生き残ってアニメ化されたんだろうな、フィルターされてるんだろうなと思うので。
数が多いだけに批判されても仕方ないものが多いのも事実なんじゃないかと思うけど、それは流行ジャンルの宿命でしかないと思うし。


で、よく批判されている要素の一つに、ファンタジーとしてダメだ見たいな批判をよく目にするのだけれど、これは少し筋ちがいなのかなと。
要は、異世界=ファンタジーではあるけれど、そこに描かれている「ファンタジー」はTVゲームのRPG的な世界であって、指輪物語に代表するガチのハイファンタジーではないから駄目だという言説。
これは読者も書き手も結局TVゲーム的RPGの世界に行って遊びたいのであって、新しい設定や細かい世界観を見たり理解したりを楽しみたいわけではないのだと思う。
おっさんになると悲しいかなあたらしいものを取り入れるのがつらく億劫になる。
なので、オークだのエルフだの知っているものが出てきて、冒険者だのギルドだの馴染んだ世界設定の方がストレスなく世界になじめてしまう。
その方が楽なのだからしょうがない。
ここはいわゆる正統な「ファンタジー」とは別種のジャンルと思ってもらう方がいいと思う。
中年おっさんはハイファンタジーも一通り嗜んだうえで、このゲーム的なRPGの世界に安住の地を求めてしまっているのではないかと思うのだ。

あとこれはすべての作品というわけではないので一概にはいえないとは思うのだけど、このジャンルの主人公は少し年齢が高い。
転生前が30前後のサラリーマンだったり何らかの職業的スキルをもって働いていたり。
ちょっと特異な知識や経験を生かして異世界で無双するというパターン。
これって一種の成り上がりものとしてみることもできる。
10代の主人公にありがちな成長や苦悩、葛藤というのは無縁で、ただその能力で無双して成り上がって成功していく、また前世での経験や失敗を踏まえて、ピンチに対して上手に対処し失敗を回避し二度目の人生として上手くやっていくことによって、その世界を生きること肯定している。このパターンが最高に麻薬のように気持ちいい。
そういう意味では序盤だけが好きだったりする作品も多い。(成り上がって以降はわりとどうでもよくなってしまうのよね)
さらに無双することによって主人公が周りから称賛され承認されちやほやされ、さらに登場キャラたちと主従関係が結ばれてかしずかれる尊敬されるのも麻薬的に気持ちいい。
あとこれもごく一部でしかないし、かなり個人的な趣味に基づくかもしれないが、奴隷の女の子を開放したり差別的扱いの種族の女の子を庇って平等に扱い、惚れられるパターンも麻薬的な心地よさがある。

甘い甘い心地よい世界の作品が受ける、というのは昔も今もそれほど変わっていないのではないかと思う。
それがハーレムものだったり、異能学園ものだったり、日常ものだったりジャンルを少しづつ変えているだけで。
それを否定したらオタクコンテンツそのものの否定だ。

ただ最近の異世界転生ものに関しては、これが若者に受けてるの?ほんと?おっさんむけじゃないの?と思ってしまうくらいに、おっさんが癒される要素満載なんだと思うんですよね。
おっさんであるところの自分には、あ、やべえなぁと思ってしまうくらいに麻薬的な心地よさがあると最近自覚してきてしまったので、まあ服用はほどほどにした方がいいのかなあ、と思わなくはないのですが。

たぶん否定したがる人たちは、その麻薬性に気づいているからだと思うんですよね。





転生したらスライムだった件は成り上がっていくのが最高に気持ちよくて困る。




主人公の女の子が過労死で死んだので転生して不老不死にしてもらいスローライフするっていう、自分がもやもや考えてたことそのものずばりの内容だった。

2018/03/30

「宇宙よりも遠い場所」感想。青春ものとしてのバランスと冒険ものとしての面白さ

1クールもののオリジナル作品として、まごうことなき傑作でした。
1話から最終回の13話までほぼ最後まで息切れすることなく、途中何度も泣かされるエピソードを連発してのワンクール。そのシナリオ、構成はほぼ完ぺきといっていいくらい巧みで練り上げられていたと思う。

本作がノーゲーム・ノーライフでヒットしたいしづかあつこ監督を中心としたスタッフで作られていたことから、マッドハウスがこの作品に以下に力を入れ、いしづか監督に信頼を寄せていたかも伺える。

個人的にこの作品のどこが一番良かったのか、というのを考えると、おそらく青春ものとしてのバランスの妙にあったと思う。

現代の高校生くらいの女の子を主人公にした作品の舞台は、学校に限定されがちで、部活などの小さなコミュニティをメインにした日常や人間関係を描いた作品にやや偏りがちではないかと思う。
そういった作品の大部分が、ゆるくて居心地のよい箱庭的な世界での日常か、正反対に真摯であったりほろ苦さを含んだ関係や恋愛を描いた青春ものであるか、おおむねどちらかに振れているのではないかと思う。
直接的なわかりやすい例を出すなら前者は「けいおん!」であり後者は「ユーフォニアム」だろう。
どちらも素晴らしい作品であることは認めつつも、個人的には「けいおん!」はゆるすぎて「青春もの」としては物足りず「ユーフォニアム」はガチすぎてちょと辛い。

「宇宙よりも遠い場所」はその中間というか、青春ものとしてゆるすぎずガチすぎず、ストンと心に落ちてくる、ちょうどいいバランスの上に成り立っている。

女子高生が目指すものが、「南極に行くこと」であるという素材のチョイスも絶妙で、非日常的で「女子高生」からイメージするものから距離がありつつも、戦車よりもリアリティがあり絶対に不可能とは言い切れない。
ゆるすぎず少し高めのリアリティラインを守りながらも、日常からいい塩梅で逸脱しているおかげで、「ガチ」な青春ものとしてリアルな重さや生々しさに落ちいらずに済む。
視聴者の立場からは、これはフィクションだからという言い訳が成り立つので、多少の重さや青臭さがこちらを切り付けてくる恐れがない。
キャラの描写も逸脱しない程度に崩されて、シリアスにより過ぎないゆるさもしっかり担保されている。
このバランスの上で青春ものとしてのドラマを次々と放ってくるため、無防備になった心の隙間に入り込み、涙腺をガンガン決壊させられてしまうのではないかと思う。


本作のもう一つの魅力は、青春ものでありながらこれが現代を舞台にした見事なまでの冒険ものであるからなのではないかと思う。
如何に女子高生が南極にたどり着くのかという物語は、これだけでも想像力を刺激し、十分ワクワクしてくる。そこをテクニカルにリアリティを逸脱することがなくせいりつさせた構成だけでも見事なのだけれど、さらに本作はその上をいっているのだ。
物語の大筋をざっくりまとめるとだいたいこんな感じでまとめられると思う。

「冒険を夢見ながらも勇気がもてず踏み出せずにいた少女(キマリ)が、失った母の眠る未地の場所(南極)を目指す孤独な冒険者(報瀬)に出会い、共に目的地を目指す旅に踏み出す。その過程で仲間(日向、佑月)を得て友情や絆を深め、困難に立ち向かい、ついには目的の地にたどり着き、孤独だった冒険者は、そこで失ったものを取り戻し、大切な宝を手に入れる。」

ファンタジーものでも十分成り立ちそうなプロットであり「冒険」に必要な要素がしっかりとそろてっているのではないだろうか。
冒険ものを現代で成立させるのは、かなり難しい。
それをこの作品は見事に成しえている。
そういう点においても、かなり稀有な作品であり、成功例なのではないかと思う。













2018/02/13

りゅうおうのおしごと。この「ロリの皮をかぶった少年漫画」って、自分の大好物やないかー

まあ見る前からロウきゅーぶ、天使の3Pを継ぐ奴だよね、小学生お好きでしょ?って言われたら、ええまあ、と否定はできないし、まあ、あまりこういうのは好きなんだけど好き好き大好きを公言して回るほど大好きなわけでもないけど、大体小学生の女の子が嫌いなロリコンはいないので、好きなので、これは天使の3Pの時と同じく特にツイッターでつぶやくこともなく、ひっそり家の中でニヤニヤしながら楽しめばそれで十分で、ヒトに勧めたりする類のモンじゃないよね、これは、と特に何も考えずに己の内なる欲求を満足させるためだけに見ればいいやと思っていました。

が、3話まで見た時点で気が変わった。

ロリが売りなのは確かだけどちゃんと面白いからロリが好きなら見ないともったいない。

ロリが好きじゃなくてもちゃんと面白いから見てくれてもいいじゃん!

と考えを改めました。

何が良かったかといえば、主人公の才能と強さ、勝利の喜び、敗北のくやしさ、勝負の熱さというものが、これでもかとこもっているということ、そして師弟の関係や絆、成長、ライバル等々!

端的に言ってストーリーの基本型が少年漫画のそれに忠実で完璧なのだ。

この「ロリの皮をかぶった少年漫画」って、自分の大好物やないかー、と


ロウきゅーぶ、天使の3Pにもそういう側面はもちろんあったのだけど、その流れを汲みつつ、深化させ洗練し、小学生と組み合わせる素材にもこだわっている点もやはり特筆すべきではないかと思う。
このジャンルが今後も続いてほしいと願いも込めて、この作品には成功してほしいと思っています。


2018/02/12

田舎暮らしでオタクを続けられるか?

みるみる記事が減って、ついには一年近く放置していたこのブログですが、環境の変化もありぼちぼち再開しようかなーと思っています。

今年の1月末、大学時代からおよそ20年近く住んでいた北関東のとある地方の街を離れ、両親の実家のある離島へと引っ越しました。
離島といってもそれなりに大きな島で、フェリーは一日に何往復するかぐらいは開けているのでいうほどへき地ではないのかもしれませんが、まあ都心は遥かに遠く、家の周りにはコンビニどころかまともな商店は一軒もないほど僻地ではあります。

いきなりそんな環境に放り込まれた割には、そこまで今の現状を悲観しているかというと、案外そうでもありません。

「インターネットとAmazonがあれば大体何とかなるんじゃね?」
とそこそこ楽観視しています。

実のところ一番の懸念だったフレッツ光が余裕で引けたこととで問題の7割くらいは解決してしまった気がしています。

アニメを見るにしても少し前から、ほぼ地上波の録画をやめてしまい、Amazonのプライムビデオ、Netflix、dアニメでの配信を利用することで最新の作品はほぼ抑えてみることができる。
Amazonの配送もお急ぎ便なら最速で次の日の夕方には届くことが確認できた。
実際に本やCD、DVDといった物を実店舗で買うことがめったになくなっていて、通販での取り寄せが中心になっていた。
さらに、持ち物が増えすぎた結果これ以上モノを増やすわけにはいかないという事情から、少しづつ音楽や本は電子データのみで買うように切り替えていこうと考えていたので、現状ではむしろ好都合ともいえる。
親と同居の手前、毎日のように通販の品がアマゾンの箱で届くのはやや体裁が悪いし、中身を勝手に開けられるという危険も回避できるのではないかなどと考えている。
電子書籍の良いところは場所を取らない、データにすぐアクセスできるというのもあるが、その気になれば発売日に日付が変わった時点ですぐ読める(通販で届くのを待たなくてよい)というメリットもある。
実店舗で探すために遠出したり、その結果品切れ、なんて目にあうこともない、それこそ田舎でオタクが生きていくのにぴったりではないのかと。

これが10年前、いや5年前でも相当に厳しかったと思う。
まさにアマゾンプライム様様といった具合にアマゾンに頼った生き方を今後していくことになるかと思われます。

とはいえ、近くに映画館がない。これだけはいかんともしがたい。
ライブやイベントに行くには相当ハードルが上がってしまうという問題もあるが、これはもともと地方在住者で頑張っている方々もいるので、なんとかしていきたいものです。