2012/07/23

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 感想(ネタバレあり)

現時点で通算7回見ての感想となります。

今回の劇場版2ndA'sはTVシリーズ二期を元にしたパワーアップリメイクということで、ただでさえ密度の濃いA'sをどう再構成するか、というのがひとつのポイントだったと思うのだけど、これが非常に上手くクリアできていた。

TV版第一話で、名シーンとして人気の高いフェイトの「友だちだ!」のシーンを全く違うものに変更してしまう大胆さで、ここはかなり勇気のいる決断だったのではないかと思う。
またグレアム提督とネコ姉妹のカットは事前にアナウンスされていたので、かわりにその役割を闇の書と因縁のあるリンディ提督が担うことは想定の範囲内だった。
けれど、劇場公開まで完全に秘匿されていた、闇の書の闇、自動防衛プログラムに「ナハトヴァール」という名前と形を与えて、諸悪の根源として明確な存在として登場させたのは、正直驚いた。
この二点の大幅な変更で、ストーリがかなり圧縮されながらも、大筋ではTVと同じ展開になるというアクロバティックなことをやってのけたのにはちょっと感心した。

もちろんTV版から削られた部分や薄くなってしまった部分というのもけっこうある。
個人的に好きなレイジングハートとなのはの熱いやり取りが、ほとんどカットされていた。
また名台詞の「悪魔でいいよ」はセリフは残っていたものの、そこまでのなのはVSヴィータの積み重ねが弱まっていてヴィータの絶望感が足りず、薄味になってしまっている。
他にも変更点、カットされた部分での不満というのはあることにはあるのだけれど、実際にはそれほど気にはなっていない。
というのも、今回の2ndA'sが、はやてとリィンフォースⅠの物語としてTV版より、深く濃密に描かれていて、これはもう完全にはやてとリィンⅠの映画として見るべきもの、と理解できるというか、映画を見ていると完全に気持ちをそっちに持っていかれる仕様になっているといったほうがいいのかもしれない。

そして上映時間150分という長尺ながら、実際にその長さを感じることは殆ど無いし、ダレたり飽きたりすることが殆ど無い。
一日5回連続で見てきた自分が言うんだから間違いない(キリッ
見応えのあるバトルと泣かせるドラマ、キャラたちの熱いセリフの数々が交互にやってきて見ているこっちの感情を休ませることなく、ガンガン揺さぶってくる。
特に後半、ナハトヴァールが起動し侵食されたリィンとの戦闘に突入してからが怒涛過ぎる展開で、本当に「濃い」の一言。
見所が盛り沢山過ぎて書ききれないので以下ちょっと箇条書きで

・なのはフェイトのコンビネーションで戦うも圧倒的な強さで歯が立たない。チェーンバインドで地面にたたきつけられるなのフェイのシーンが迫力あっていい。
・フェイト闇の書に吸収、フェイト闇の書の中の夢でアリシアと出会う。やさしいプレシアに戸惑うフェイト、アリシアとの会話、フェイトの決意とそれを送り出すアリシアの思い、別れの一連のシーンの切なさ。アリシアがやたら可愛くかけていて、水樹奈々の思い入れたっぷりの演技で泣ける泣ける。
・外で単騎でリインと渡り合うなのは、渾身ACS、TV版でも一番好きな戦闘シーンが大迫力で見れて満足。
・ACSを防がれ、いよいよピンチのなのは、チェーンバインドでぐるぐる回されて吊るされ(ここの作画がまたいい!)、さらに上からでっかいドリルが振り下ろされる!これがTVにはないシュチュエーションで、最初見たときは、めちゃくちゃ興奮した、絶望感もすごい!
・そして、そこに闇の書の夢から脱出したフェイト王子が白マントでさっそうと現れて、なのはを救出!かっこいい!燃える!最高のカタルシス!ここもTV版からの変更で、映画冒頭でなのはを救えなかったフェイトが、そのリベンジをするという気持ちよさ!
・そしてナハトヴァールをリィンから切り離すためにN&F中距離殲滅コンビネーション・ブラストカラミティ!なのはとフェイトのコンビネーション魔法として長谷川版コミックにのみ登場していた技がまさかの、ここで!これが見れると思っていなかったので、驚くとともに超絶嬉しくて、テンション上がった、これだ!これが見たかったんだ!!
・リインフォースとはやて、はやての名前を挙げる超絶名シーン、泣ける。
・そしてSnowRain、もう泣く、泣くしかない。
・「行こか、リインフォース」「はい、わが主」
与えられた名前を呼ばれそれに応えるリィン、そのリイの柔らかで幸福そうなほほ笑み、泣ける!
・はやてとリィンフォース、ユニゾン。最初で最後のユニゾン。TV版ではリィンは、いっしょに変身しないしバリアジャケットも姿も初、新規のもので、変身後のキメの一枚絵でリインとはやてが並び立ってるのを見て感慨深くて切なくなる。泣ける。
・さらにここから切り離されたナハトヴァール暴走で、TV版のフルボッコシーン突入。TV版と違って名乗り&必殺技放っておしまいではなく、コンビネーションを駆使したアクションとナハトさんの頑張りですごいことに。お約束の水樹奈々挿入歌がかぶるものの絵の迫力にやや歌が負けてしまった印象。
・アクションのクライマックス終了、そしてはやてとリィンの別れ。
はやての持つ母性がリインや守護騎士達を不幸な宿命から開放させた一方で、ここでのはやては、リィンと別れたくない、いっしょにいたいという子供らしいわがままで「駄々っ子」になっている。
それをやさしく慈愛に満ちた眼差しで諭すリィン。
「わが主」
この言葉にリィンフォースのはやてに対する深く複雑な愛情と思いがにじみ出ている。
はやての思い、リィンの思い、それぞれが相手を思う気持ち、叶わぬ願い、幾つもの複雑な感情が交じり合い溶け合う最高の名シーン、泣いてもいいんだよ?
・そしてエピローグへ

後半の重要なとこだけ抜き出してもこんだけあって、さらにヴォルケンズの各シーン、なのフェイのラブラブシーンとか書きだすとキリがないのでこの辺で。

総じてアクションシーンは1stよりバリエーション豊富でかなり見応えがある(ヴィータのラケーテンとかすごい)
もう一方でアクションにやや隠れがちだけれど、ちょっとした気の利いた芝居作画が随所にあってキャラの感情描写、泣けるドラマをひとつ上に引き上げている点も見逃せない。
1stも同様なんだけど、とにかく映画として劇場で見るに足るクオリティと中身に仕上がっている。
最近深夜系アニメの映画化が、時代の流れとして定着しつつあるけれど、短期決戦的な作りではなく、ここまで贅沢に、じっくり時間をかけて「映画」を作ってるものはそうそうないんじゃないかなあと思います。さすがに二年半かかっただけのことはある。

もうとにかく滿足、不満な点を挙げることもできるけどそんな野暮なことはもうしたくない。
これ以上望んだらバチあたるって、と思う位今回の映画には満足しております。


エピローグ以降に関して、あと3rdに対する期待についてまだ書きたいことがあるのですが、それはまた次にします。

取り敢えずスタッフの皆様ありがとうございます、ご苦労様でした!
末永くこれからもなのはシリーズをよろしくお願いします。
ファンはまだまだついてくで?


関連

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 公式サイト
http://nanoha.com/index.html

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ED&主題歌。映画見て歌詞を噛み締めると、また泣けるんだよな、これが。
つうか発売はよ!

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