完結編となる劇場版がどうなるか、気になっていたので、見て参りましたよ。
結論から言えば、、出来や内容にに関しては、まあまあ、概ね満足でした。
とはいえ過渡な期待をしていたわけでもないのですが。
あと、TVシリーズラストのスプラッタコメディな大虐殺とグロがなんだかんだで好きだったのだけど
劇場版は、普通にホラーアクションになっていたのは、ややがっかりというくらいです。
ただこの劇場版を見て、TVシリーズでは全く気づくことが出来なかった、文人の小夜への想いがはっきりとして、実は純愛の物語だったのだとわかることで、TVシリーズと劇場版を含めていろいろ腑に落ちたのは、よかったかなと。
※以下、本編ネタバレ有り
この映画のキーポイントは、TVシリーズでは七原文人がただの頭のイカレた金持ちぐらいにしか思えなかったのが、実は小夜の事が愛しくてたまらなくて頭がイカレてしまった金持ちだったことがわかるというところだと思う。
浮島地区での茶番も、ふるきものを使った実験、研究もすべて、小夜のためだったと。
減少していくふるきものが絶滅すれば、それを糧とする小夜もいずれ消えてしまう、それを阻止するために、人間をふるきものに変える実験を繰り返し、さらに自分に憎悪を向け復讐にやってくるが、人間を殺せない小夜のため、自ら人間であることを捨てる、小夜に殺されるために・・・
そんな文人に対し、人でない小夜は何を思い、何を感じていたのか。
直接語られることのない小夜の内面には、想像と解釈の余地が多分にあり、これが小夜と文人の交わることのない歪んだ純愛の物語として際立ち、映画としての大きな柱になっている。
実の所見る前と後で、作品の持っていたイメージがガラッとかわったなあ、と、この点についてはかなり面白かったし、良かったと思う。
また浮島地区で友達と思っていたクラスメートが全て演技で偽物だったという喜劇のような悲劇を演じさせられた小夜に、今回の話で、サーラットのメンバーという仲間と呼べるかどうか、という距離感の存在に出会うことで、小夜の孤独さや内面のゆらぎが際立つ様にTVシリーズと対比されるキャラ配置がなされていたのも、上手かったと思う。
惜しむらくは、最後の巨大なふるきものとのバトルがあっさりしすぎて盛り上がりに欠ける所。
デカイのキター、わははー、と思わせておいてなんの山場もなくすぐにやられてしまうという・・・
パンフを見たらそこは本来もっと尺があってアイデアもあったそうなんだけど、なんでなくしたし。
そこでのアクションシーンをもうちょっときっちりやりきっていれば、娯楽映画としての評価ももう少し上がったのでは、と思うのだけど。
だいたいこんな感じで、まあそこそこ好評の部類に入るのかな
あと水樹奈々ファン的に水樹奈々の低音ヴォイスの演技が堪能できるのと主題歌のMETROBAROQUEが作品イメージと相まってかなりかっこいい良曲になっていてその点でも俺得でした。
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純愛なんてウソウソ。サヤという可愛い女の子であと一儲けしたかっただけ。上映された映画館の数が少ないってのは、社会がこの作品に与えた評価。ウソの愛に騙されて金を搾り取られるファンがカワイソー。
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